オフィス移転チェックリスト!担当者が押さえたい全手順を紹介

2026年04月27日

「何から手をつければいいかわからない」「準備が抜け漏れていないか不安」

オフィス移転の担当者になったとき、このように感じる方は少なくありません。オフィス移転は社内手続き・業者手配・行政届出と対応領域が広く、準備期間は一般的に半年〜1年にも及びます。

本記事では、移転の準備から移転後の手続きまで、担当者がやるべきことを時系列・領域別に整理したチェックリストとして解説します。

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【時系列別】オフィス移転チェックリスト

【時系列別】オフィス移転チェックリスト

一般的に移転の準備は移転日の1年〜半年前から始まり、移転後の行政手続きまで含めると全体像は大きく5つのフェーズに分かれます。「いつ・何を・誰が」を事前に整理しておくことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。

  • 移転1年〜半年前:プロジェクト立ち上げ・物件選定
  • 移転4ヶ月〜2ヶ月前:内装・業者・インフラ手配
  • 移転1ヶ月前:社内外への通知・各種最終確認
  • 移転当日:搬出入立ち会い・インフラ開通確認
  • 移転後:行政手続き・住所変更

移転1年〜半年前にやること

タスク 内容・ポイント
移転目的の明確化 拡張・コスト削減・働き方改革など、目的を社内で合意し文書化する
プロジェクトチームの発足 総務・IT・経営陣から担当者を選出し、役割分担と決裁フローを決める
現オフィスの解約予告期限確認 賃貸借契約書の解約条項を確認。6〜12ヶ月前通知が必要なケースが多い
新オフィスの候補選定・内覧・契約 立地・坪数・賃料・設備を比較検討し、遅くとも半年前には契約を完了させる
移転業者の選定・見積もり 複数社から相見積もりを取得。費用だけでなく実績・対応力も比較する
移転スケジュールの策定 移転日から逆算した全体スケジュールを作成し、関係者全員と共有する

現オフィスの解約予告期限の確認は最優先です。多くのオフィス物件では退去希望日の6〜12ヶ月前に通知が必要で、期限を過ぎると移転後も旧オフィスの賃料が発生します。移転プロジェクトの開始と同時に賃貸借契約書を確認しましょう。

移転4ヶ月〜2ヶ月前にやること

タスク 内容・ポイント
内装レイアウト・デザインの決定 施工業者と打ち合わせを重ね、工事スケジュールを確定させる
オフィス家具・OA機器の選定・発注 既存品の流用か新規購入かを判断し、搬入スケジュールを業者と調整する
インターネット回線・電話の申し込み 開通工事に1〜2ヶ月かかる場合があるため、このフェーズで必ず申し込む
取引先への移転通知の準備 挨拶状・メール文面・ホームページ更新内容を事前に用意しておく
各業者との打ち合わせ・契約 電気・空調・セキュリティ・清掃など専門業者との調整を進める

インフラ手配は後回しにしがちですが、インターネット回線は申し込みから開通まで1〜2ヶ月かかるため、このフェーズで必ず着手してください。移転当日に通信が使えない事態を防ぐためにも早めの対応が不可欠です。

移転1ヶ月前にやること

タスク 内容・ポイント
社内への正式通知・説明会 新住所・アクセス・当日スケジュール・業務体制を全従業員に共有する
名刺・社内書類・ゴム印の発注 新住所入りの名刺・封筒・パンフレットなどを発注し、移転前に受け取れるよう納期を確認する
施工・内装工事の進捗確認 工事が予定通り進んでいるかを業者と確認し、遅延があれば早めに対処する
原状回復工事のスケジュール調整 旧オフィスの退去日と原状回復の完了日を管理会社・施工業者と調整する
ホームページ・メール署名の変更準備 移転当日に即時更新できるよう、担当者と更新手順を事前に確認する

印刷物の発注はこのフェーズが最終期限です。名刺・封筒など住所入りの印刷物が移転に間に合わないと、しばらく旧住所のままで運用せざるを得なくなります。

移転当日にやること

タスク 内容・ポイント
搬出時の立ち会い 養生の状態を確認し、搬出漏れがないかチェックする
搬入時の立ち会い 搬入物の数量・設置場所を業者と確認しながら進める
インフラ開通の確認 電話・インターネット・電気・空調が正常に動作するかテストする
旧オフィスの原状回復工事立ち会い 施工内容が賃貸借契約書の条件を満たしているか確認する
鍵・セキュリティカードの返却 旧オフィスの管理会社に返却し、受領書を必ず受け取る

搬入完了後はインフラの動作確認を優先して行いましょう。当日中に不具合が判明した場合は、その日のうちに業者へ連絡することで、翌営業日以降の業務への影響を最小限に抑えられます。

移転後にやること

タスク 内容・ポイント
行政機関への届出 法務局・税務署・年金事務所・労働基準監督署など、期限内に届出る(次章参照)
取引先への移転完了報告 メール・書面で移転完了を報告し、新住所を改めて通知する
Webメディアの住所最終更新 ホームページ・Googleビジネスプロフィール・求人サイトなどを更新する
金融機関・各種サービスの住所変更 銀行・クレジットカード・リース・保険など登録住所を変更する

行政への届出は期限が短いものが多いため、移転後は住所変更よりも先に行政手続きを優先して着手することをおすすめします。詳細は次章で解説します。

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行政届出に関するオフィス移転チェックリスト

行政届出に関するオフィス移転チェックリスト

オフィス移転後には、複数の行政機関への届出が義務づけられています。期限を超過すると罰則や手続き上のトラブルにつながるリスクがあるため、移転前に届出先・担当者・期限をリスト化しておきましょう。

届出先 主な手続き 提出期限の目安
法務局(登記所) 本店移転登記 移転後2週間以内(会社法第915条第1項)
税務署・都道府県税事務所 異動届出書 速やかに(概ね1ヶ月以内が推奨)
労働基準監督署 労働保険の名称・所在地等変更届 変更後10日以内
公共職業安定所(ハローワーク) 雇用保険の事業所各種変更届 変更後10日以内
年金事務所 健康保険・厚生年金の適用事業所変更届 変更後5日以内
郵便局 転居届(郵便物の転送) 速やかに
警察署 自動車の保管場所変更届出 変更後15日以内
消防署 防火対象物使用開始届出書 使用開始7日前まで

それぞれの届出について、詳しく解説していきます。

法務局(登記所)への届出

会社法第915条第1項により、移転後2週間以内に本店移転登記を申請する義務があります。期限を過ぎると「登記懈怠」とみなされ、代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります。

登録免許税は管轄内移転で3万円、管轄外移転は旧・新の2ヶ所への申請が必要となり合計6万円かかります。手続きが複雑な場合は司法書士への依頼も検討しましょう。【エビデンス注意:司法書士報酬は事務所により異なります】

参考:法務省「法務局ホームページ

税務署・都道府県税事務所への届出

所轄の税務署と都道府県税事務所に「異動届出書」を提出します。移転先が別の税務署の管轄になる場合は、移転前後の両方への届出が必要になることがあります。確定申告や法人税・消費税の書類送付先も変わるため、移転後速やかに対応しましょう。

参考:国税庁「異動届出書(法人税)

労働基準監督署・公共職業安定所への届出

労働基準監督署には「労働保険の名称・所在地等変更届」を、ハローワークには「雇用保険の事業所各種変更届」を、いずれも変更後10日以内に届出る必要があります。

移転先の管轄が変わる場合は、旧・新それぞれの機関での手続きが必要になるため事前に確認しておきましょう。

参考:厚生労働省「労働保険の加入手続について

年金事務所(社会保険事務所)への届出

「適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」を所轄の年金事務所に提出します。提出期限は変更から5日以内と非常に短いため、移転前からスケジュールに組み込んでおくことが欠かせません。

後回しにすると健康保険証の住所情報が誤ったままになり、従業員に不利益が生じます。e-Gov(電子申請)での手続きも可能です。

参考:日本年金機構「適用事業所の各種変更手続きについて

その他の届出先

届出先 手続き名 期限・備考
郵便局 転居届(郵便物の転送) 速やかに。転送サービスは最長1年間利用可能
警察署 自動車の保管場所変更届出 変更後15日以内(道路交通法施行令)
消防署 防火対象物使用開始届出書 使用開始7日前まで(消防法第17条の14)

消防署への届出は法令上の義務です。新たな建物でオフィスを使用開始する場合は、入居前に所轄消防署への届出が完了しているかを必ず確認してください。

参考:消防庁「防火管理に係る届出について

社内・社外対応に関するオフィス移転チェックリスト

社内・社外対応に関するオフィス移転チェックリスト

行政手続き以外にも、社内外への通知対応が多く発生します。対応漏れは従業員の混乱や取引先からの信頼低下に直結するため、次の3領域に分けて進めると管理しやすくなります。

  • 社内への通知・従業員への周知
  • 取引先・関係会社への通知
  • ホームページ・各種媒体の住所変更

社内への通知・従業員への周知

従業員への通知は、遅くとも移転の1〜2ヶ月前に行いましょう。「新住所・最寄り駅・移転日時・当日の業務体制」を必ず含めてください。

通勤経路が変わる従業員については、通勤手当の見直しが必要になる場合があります。就業規則に基づき、変更が生じる従業員には個別に確認・調整を行いましょう。

取引先・関係会社への通知

移転の1〜2ヶ月前を目安に通知します。重要な取引先には書面(挨拶状)、それ以外はメールが効率的です。請求書・契約書など住所が記載された書類の送付先リストは、移転前から整備しておくと移転後の対応がスムーズになります。

ホームページ・各種媒体の住所変更

Web上の住所情報はGoogleの検索結果やMaps表示にも影響します。更新が必要な主な媒体は以下の通りです。

  • コーポレートサイト・採用サイト
  • Googleビジネスプロフィール
  • X(旧Twitter)・Facebook・Instagram・LinkedInなど各種SNS
  • Indeed・リクナビ・マイナビなど求人サイト
  • 業界団体・名鑑サイトへの登録情報

旧住所入りの名刺・封筒の在庫は移転後に使用しないよう、廃棄ルールを事前に決めておくことも大切です。

オフィス移転で失敗しやすい3つの落とし穴と対策

オフィス移転で失敗しやすい3つの落とし穴と対策

オフィス移転では、準備の不備が思わぬトラブルに発展するケースが多くあります。特に初めて担当する方は、次の3つの落とし穴を事前に把握しておきましょう。

  • 解約予告期限を見落として違約金が発生する
  • 行政への届出を後回しにして期限を超過する
  • インフラ開通が間に合わず業務停止が起きる

解約予告期限を見落として違約金が発生する

多くのオフィス物件では退去希望日の6〜12ヶ月前に解約通知が必要です。期限を過ぎると、新オフィスへ移転後も旧オフィスの賃料が発生する「二重家賃」状態になるリスクがあります

移転プロジェクトの開始時点で賃貸借契約書を確認し、解約通知の期限日をスケジュールに明記しておくことが最善の対策です。

参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

行政への届出を後回しにして期限を超過する

移転直後は業務が立て込むため、行政手続きが後回しになりがちです。しかし年金事務所への届出は変更後5日以内、本店移転登記は2週間以内と期限が非常に短く設定されています。

移転前に「届出先・担当者・期限」の一覧を作成し、移転後すぐに動ける体制を整えておきましょう。

インフラ開通が間に合わず業務停止が起きる

インターネット回線・電話の開通工事は申し込みから1〜2ヶ月かかることがあります。移転直前に申し込むと、移転後も数週間インターネットや電話が使えない状態が続くリスクがあります。

インフラ手配は移転4〜3ヶ月前には着手し、バックアップとしてモバイルWi-Fiルーターの用意も検討しておきましょう。

まとめ

まとめ

オフィス移転を成功させるカギは、「早めの計画」と「担当領域の明確化」にあります。解約予告期限・インフラ手配・行政届出の3点を特に意識してスケジュール管理することで、多くのトラブルは未然に防げます。

本記事のチェックリストをフェーズごとに確認しながら、抜け漏れのない移転準備を進めてください。

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