オフィスの改装を検討しはじめたとき、まず気になるのは「結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。改装費用は物件の状態や工事範囲によって大きく変わるため、ネットで調べても情報がバラバラで判断しにくいのが実情です。
この記事では、オフィス改装費用の相場を居抜き・スケルトン・リニューアル別に整理したうえで、工事種類ごとの費用内訳や費用削減のコツも含めて網羅的に解説します。
オフィス改装にかかる費用相場【坪単価の目安】
オフィスの改装費用は、物件がどのような状態にあるかで大きく変わります。ここでは「居抜き物件」「スケルトン物件」「既存オフィスのリニューアル」の3パターンに分けて、それぞれの坪単価の目安を紹介します。
居抜き物件を改装する場合の費用相場
居抜き物件とは、前のテナントが使っていた内装や設備がそのまま残っている物件のことです。空調や照明、床材などをそのまま活用できるケースが多いため、工事範囲を最小限に抑えられます。
居抜き物件の改装費用は、坪単価10万〜20万円程度が一つの目安です。たとえば50坪のオフィスであれば、500万〜1,000万円程度が費用の目安になります。ただし、前テナントの内装が自社の業務スタイルに合わなければ追加の工事が必要になり、費用が上振れすることもあります。設備の劣化具合は必ず事前にチェックしておきましょう。
スケルトン物件を改装する場合の費用相場
スケルトン物件とは、内装が一切施されていない「骨組みだけ」の状態の物件です。壁・床・天井の仕上げから電気・空調設備まで、すべてゼロから構築する必要があります。
その分、坪単価は20万〜40万円程度と居抜きの約2倍になるのが一般的です。50坪で計算すると1,000万〜2,000万円ほどの予算を見込んでおく必要があります。費用は高くなりますが、レイアウトやデザインを自由に設計できるため、自社のブランドイメージや働き方に合わせたオフィスをつくりたい場合に向いています。
既存オフィスをリニューアルする場合の費用相場
現在入居しているオフィスを部分的に改装するケースも少なくありません。たとえば、エントランスだけリニューアルする、会議室を増設する、といった部分改装であれば坪単価5万〜10万円程度で済むこともあります。
一方、全面的にリニューアルする場合は居抜き改装に近い坪単価10万〜30万円程度になります。注意したいのは、営業を続けながら改装する場合、夜間や休日に工事を行うことになり、割増費用が発生するケースがあることです。工期の延長も見込まれるため、スケジュールと予算には余裕を持たせておくのがおすすめです。
オフィス改装費用の内訳|工事の種類ごとの費用目安
「合計でいくら」だけでなく、「何にいくらかかるのか」を知っておくと、見積書を見たときに費用の妥当性を判断しやすくなります。ここではオフィス改装で発生する代表的な工事項目ごとに、内容と費用感を紹介します。
内装仕上げ工事(壁・床・天井)の費用
壁紙の張り替えや塗装、床材の施工、天井の仕上げなど、オフィスの見た目を大きく左右する工事です。費用は使用する素材のグレードで大きく変わります。
たとえば床材の場合、タイルカーペットなら1㎡あたり3,000〜5,000円程度ですが、フローリングやフロアタイルに変更すると1㎡あたり6,000〜12,000円程度まで上がります。来客の目に触れるエントランスにはグレードの高い素材を使い、バックオフィスはコストを抑えるなど、メリハリをつけることで全体の費用を最適化できます。
電気・空調・通信設備工事の費用
照明の交換やコンセントの増設、空調の移設・新設、LAN配線やWi-Fi環境の構築など、設備まわりの工事です。オフィス改装の中でも費用がかさみやすい項目で、目安としては電気・空調を含む設備工事一式で坪あたり20万〜35万円程度とされています。
レイアウト変更で間仕切りの位置を動かすと、それに合わせて空調やスプリンクラーの配置も変更する必要が出てきます。特に空調や防災設備の工事はビルオーナー指定の業者が行う「B工事」に該当するケースが多く、自社でコストコントロールしにくい点に注意が必要です。
パーテーション・消防設備・サイン工事の費用
パーテーション工事は、間仕切りの種類によって費用が大きく変わります。アルミパーテーションであれば比較的安価に済みますが、ガラスパーテーションやスチールパーテーションを選ぶと費用は数倍になることもあります。
また、間仕切りで個室をつくる場合は、消防法に基づいてスプリンクラーや感知器の移設・増設が必要になります。この工事も費用が発生するため、見積もりの段階で漏れがないか確認しておきましょう。エントランスの社名サインや案内表示といったサイン工事は、規模にもよりますが数万〜数十万円程度が目安です。
オフィス改装の費用が高くなる主な要因
「想定より費用が高くなった」というケースは珍しくありません。費用が膨らむ主な原因を事前に把握しておくことで、見積もり段階での判断力が高まります。
まず、物件の状態が悪く、下地からやり直す必要がある場合は、工事範囲が大幅に広がります。築年数が古い物件では、壁や天井の下地が劣化していることがあり、仕上げ工事の前に補修工事が入る分だけコストがかさみます。着工前の現地調査で、追加費用のリスクを洗い出しておくことが大切です。
次に、内装素材や家具のグレードも費用を左右します。たとえば、エントランスに石材を使う、ガラスパーテーションを多用するといったハイグレード仕様では、坪単価40万〜50万円を超えることも珍しくありません。
さらに、電気・空調など設備工事の範囲が広がると、B工事(ビルオーナーが業者を指定する工事)に該当する項目も増えます。B工事はテナント側が費用を負担するにもかかわらず、業者を自由に選べないため、競争原理が働きにくく割高になりがちです。工事を計画する際には、事前にビルの工事区分表を確認し、B工事の範囲と費用感をオーナーに確認しておきましょう。
オフィス改装の費用を抑える5つのコツ
改装費用はやみくもに削ればいいものではありませんが、知っているかどうかで大きく差が出るポイントがあります。ここでは、費用を抑えるための具体的な方法を5つ紹介します。
1. 既存設備や居抜きの内装を有効に活用する
コストを抑えるうえで最も効果が大きいのは、使えるものはそのまま使うことです。前テナントの空調設備や床材、天井仕上げなどの状態が良ければ、それらを活かすだけで工事費用を大幅にカットできます。
居抜き物件を選ぶだけで、スケルトンと比べて坪単価を半分近く抑えられる可能性があります。ただし、見た目はきれいでも設備が老朽化していることもあるため、入居前に専門業者と一緒に設備の状態をチェックしておくと安心です。
2. 場所によって素材のグレードに差をつける
オフィス全体を同じグレードの素材で仕上げる必要はありません。たとえば、来客の目に触れるエントランスや会議室はデザイン性の高い素材を使い、執務スペースやバックオフィスはタイルカーペットなどのスタンダードな素材にすることで、全体コストを大きく抑えられます。
具体的には、床材ひとつとってもフローリングからタイルカーペットに変えるだけで、1㎡あたり数千円の差が生まれます。広いオフィスほど、このメリハリの効果は大きくなります。
3. 複数の業者から相見積もりを取る
改装業者によって、同じ工事内容でも見積もり金額が大きく異なることは珍しくありません。少なくとも3社程度に見積もりを依頼し、価格だけでなく工事項目の粒度や諸経費の内訳も比較しましょう。
「一式○○万円」とざっくりまとめられた見積書は、どこにいくらかかっているのかが見えず、後から追加費用が発生しやすい傾向があります。工事項目ごとに数量と単価が明記されている見積書を出してくれる業者のほうが、コスト管理がしやすく安心です。
4. B工事の費用をオーナーと交渉する
B工事はビルオーナー指定の業者が施工するため割高になりがちですが、交渉の余地がまったくないわけではありません。たとえば、入居時に「B工事の一部をA工事として対応してもらえないか」と相談したり、オーナー指定業者に対してC工事業者の見積もりを提示して価格交渉を行う方法があります。
交渉は賃貸借契約の締結前、もしくは契約直後のタイミングがもっとも効果的です。入居後しばらく経ってからでは応じてもらいにくくなるため、早めに動くことがポイントです。
5. 補助金・助成金の活用を検討する
オフィスの改装内容によっては、国や自治体の補助金・助成金を活用できる場合があります。たとえば、IT機器やシステムの導入を伴う改装であれば「IT導入補助金」、事業転換を伴う大規模な改装であれば「事業再構築補助金」が対象になる可能性があります。
ただし、補助金は原則として「着工前に申請・採択されていること」が条件です。工事が始まってから申請しても対象外になるため、改装の検討段階で早めに情報収集しておくことが大切です。補助金の公募時期や申請要件は年度ごとに変わるため、最新情報は各制度の公式サイトで確認してください。
参考:IT導入補助金公式サイト
改装と移転、どちらの費用が安いか
オフィスの課題を解決する方法は、改装だけではありません。別の物件に移転するほうがトータルコストを抑えられるケースもあります。それぞれにかかる費用の違いを整理してみましょう。
改装の場合は内装工事費用が中心ですが、移転の場合はそれに加えて旧オフィスの原状回復費用、新オフィスの敷金・礼金・仲介手数料、引越し費用、住所変更に伴う届出対応のコストなどが発生します。
| 比較項目 | 改装 | 移転 |
|---|---|---|
| 内装工事費用 | 必要(改装範囲に応じて変動) | 必要(新オフィスの内装構築) |
| 原状回復費用 | 不要(退去しないため) | 必要(旧オフィスの復旧) |
| 敷金・保証金 | 不要(既存契約のまま) | 必要(賃料の6〜12ヶ月分が目安) |
| 引越し費用 | 不要 | 必要 |
| 賃料の二重払い | なし | 新旧オフィスで重複する期間あり |
現在のオフィスの立地や広さに満足していて、内装や設備の老朽化が主な課題であれば、改装のほうがトータルコストを抑えやすいでしょう。一方、「手狭になった」「立地を変えたい」「ビルの築年数が古く設備改修に限界がある」といった場合には、移転のほうが中長期的にみてコストメリットがあることもあります。
迷ったときは、改装と移転それぞれの概算見積もりを取って比較してみるのが確実です。
オフィス改装の費用についてよくある質問
オフィスの改装費用に関して、担当者からよく挙がる疑問をQ&A形式でまとめました。
改装費用の支払いタイミングは?
オフィス改装の費用は、一括で前払いするのではなく、「着手金・中間金・完了金」の3回に分けて支払うのが一般的です。割合は業者によって異なりますが、着手時に30%、中間で30%、完了後に残りの40%といった配分が多く見られます。
改装中も営業を続けられる?追加費用はかかる?
部分改装であれば、工事エリアと業務エリアを分けて営業を続けることは可能です。ただし、営業時間中に騒音や粉塵が出る工事ができないため、夜間や休日に工事を行う場合は割増費用が発生します。
また、工事エリアの養生や動線の確保にも追加コストがかかります。全面改装の場合は仮オフィスへの一時移転が必要になることもあるため、その費用も含めてトータルの予算を検討しましょう。
改装費用は経費として計上できる?
オフィスの改装費用は、工事の内容によって会計処理が変わります。壁紙の張り替えや設備の修理など、原状回復を目的とした工事であれば「修繕費」として一括で経費計上できるのが原則です。
一方、レイアウトを変更して新たに間仕切りを設置したり、設備のグレードを上げたりする工事は、資産の価値を高める「資本的支出」として扱われ、耐用年数に応じて減価償却する必要があります。国税庁のタックスアンサーでは、支出額が60万円未満の場合や、取得価額の10%以下の場合は修繕費として処理できるとされています。
まとめ
オフィス改装の費用は、物件の状態によって大きく変わります。居抜き物件なら坪単価10万〜20万円、スケルトン物件なら20万〜40万円が目安です。費用を抑えるには、既存設備の有効活用、素材グレードのメリハリ、複数業者への相見積もりが特に効果的です。
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